- 高額な医療費がかかったとしても、自己負担の上限額は決まっている
- 上限額は年収により、いくつかの段階に分かれている
- 2025年8月から、自己負担額が段階的に増えていくことが決定された
高額療養費制度制度って?
重い病気や大きなケガで入院した場合、高度な医療を受けたり、高価な薬剤が使用されると、医療費が高額になることがあります。
日本には国民皆保険制度があり、通常は自己負担額が1~3割と決まっています。しかし最近は高額な治療や薬剤が増えているため、一度の入院で治療費が百万円を超えてくるような場合、それでも高額になってしまいます。
たとえ3割負担であったとしても、月に数十万円の負担となると、かなり無理をすることになってしまいます。それがもしも、数か月~年単位にわたるとなると、現実的ではありません。
DPC(Diagnosis Procedure Combination)という制度が導入されている病院の場合、実際には医療費がそのまま患者側にすべて反映される訳ではないのですが、ひとまずこの項目では詳細は割愛します。
そこで1973年に導入されたのが、高額療養費制度です。
医療費で生活が行き詰まらないよう、1か月に支払う医療費の自己負担額に上限が設けられました。
上限は、個人や世帯の収入に応じて上限額が決められています。
<引用>厚生労働省 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 より抜粋
上限を超える分の医療費は、行政が支払ってくれます。
経過が長い場合は、4か月め以降、更に自己負担上限額が下がるという、とてもありがたい制度です。
70歳以上の場合、区分が少し変わってきますが、制度の大筋としては同様です。
海外では、なかなかみられない、充実した社会制度だね!
どう変更される?
2025年度予算案の決定に向けた厚生労働大臣と財務大臣の折衝で、高額療養費制度の上限額が引き上げられることが決まりました。
2025年8月から上限額が引き上げられ、収入の区分も更に細かくなります。
<2025年8月以降の高額療養費制度上限額・推移予定(70歳未満)>
2025年8月、2026年8月、2027年8月と3段階に引き上げられます。
区分によっては、現行の1.7倍以上となるところもあり、かなりの負担増となります。
- 多回数該当による自己負担上限額引き下げの制度じたいは残りますが、そちらの自己負担上限額も引き上げられます。
- 70歳以上に関しても同様に、収入に応じた自己負担上限額の引き上げが予定されています。
- 外来特例に関しても、2026年8月から自己負担上限額の引き上げが予定されています。
自己負担が1.75倍になっている世帯もあるよ!
厳しい~~~~~
今後どうすれば?
高額療養費制度じたいは、とても素晴らしい制度です。
海外でもあまり類をみない制度ですが、この制度を成り立たせているものが、社会保険制度です。
少子高齢化のすすむ日本では、従来の社会保障制度を「このままの形」では維持することができず、今後も色々な形で改正(患者側からすれば改悪)が続くことが予想されます。
食事・生活習慣・禁煙など、自分でコントロールできる範囲での健康管理は、今後の老後の備えだけではなく、経済的な安定を維持するためにも必須であると言えるでしょう。
そもそも病気にならないようにする、一次予防がとても重要な考え方となります。
生活習慣と食事の改善!
適度な運動!
禁煙!
お酒はほどほどに!
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